ニートは就職するべきか

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ハローワークに行くニート
ニートは就職するべきか。多くのニートが「ニート 就職」と検索ボックスに叩き込み、ある者は布団に戻り、またある者はコントローラーを握ったという。なぜそんな無意味なことをするのか。

僕らニートは元来、危険予知能力の高い生き物である。高すぎるがゆえに、危害を加えられないように人間関係を断ち、最も安全な場所に引きこもるのだ。そして「働きたくない」と思う反面、「働かなければヤバイ」と誰よりも自分の危機を察知している。そのせめぎ合いによって、エラーを起こしたロボットのように無意味な行動をしてしまう。

つまり、そこには大きな葛藤がある。他人からしたら「いや、つべこべ言わず働けよ」という話かもしれない。しかし、そこには大きな葛藤があるのである!そう、大きな葛藤が。

ニートは就職するべきではない

「ニート 就職」と検索した者が目にするのは、ニート歓迎、ニート支援、脱ニート、ニートからホワイト企業へ、などと書かれた求人の数々。また、自称元ニートの先輩たちによるアドバイス満載のブログ。「就職しなくては」と焦る僕は、自室に居ながらなぜか心拍数が上がる。ちょっとかましてやるかと思い、とりあえずたどり着いた求人サイトの会員登録だけして一日を終える。


 しかし、布団に帰った僕はあることに気づいた。なぜその会社は、ニートという最も働く能力がなく、そもそも働く気がない人々に求人を出すのだろうか。社会奉仕の一環か、それともその会社の社長がニートである息子のためにニートが働きやすい職場を目指していて、父の愛情に気が付き出勤した息子が秋田県から来た病弱な女の子と震災を乗り越え、職場結婚し、なんやかんやで息子の息子が今年で二歳、将来引きこもりにならないか心配です、みたいなことなのだろうか。

 否! その会社は人手不足なのである。それはニュースで取りざたされる売り手市場とはなんの関係もない単純な人手不足。なぜ、人手不足か。それは地獄のような労働環境を人々が次々と辞めて行くからだ。ベッド横のテーブルに積み上げられたティッシュの山のように、人々が使い捨てされているのかもしれない。

 僕が就職するべきではないと思うのは、正直、今の現状を正当化したいだけなのだろう。しかし、ニートの就職は何歳まで、早いほうが良いという言葉を鵜呑みにして焦りに焦ったニートが、ブラック企業に無事就職し辞めたくなるも、久しぶりに見た親の喜ぶ顔を台無しにしたくなくって、そのまま過労死してしまう、なんていう悲しい事件が起きるかもしれないし、起きているかもしれない。安易にニートは就職するべきとは言えない。
 

 結論としては、まず焦らないということだろう。僕らニートはカタツムリのようにゆっくり前に進んでいけばいい。そのためには、「ニートは就職すべきではない」というのが言いすぎだとしても、「ニートは就職するべき」という考えを捨てるくらいは良いんじゃないだろうか。
 そうすれば、「働きたくない」と「働かないとヤバイ」のせめぎ合いも起こらず、無意味な行動も少なくなっていくかもしれない。そうして生まれた時間を「就職するべきか」ではなく、「何をすべきか」に費やすのが良いと思う。

僕もいつかはこの家を出るかもしれない。そして秋田県から来た病弱な女の子と結婚することだろう。

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