宝くじを実名制にすると上級国民は困るのか

社会

 先月の池袋暴走事故で、再ブレイクを果たした「上級国民」という言葉。

 もともとこの言葉は、東京オリンピックのエンブレム盗用騒動の時に、東京オリンピック組織委員会の事務総長が発した”一般国民”という言葉の対比としてつくられた言葉である。

 しかし、事故後の現在では、この言葉を検索すると

 このように、「その後」「無罪」など特定の人物に関わるキーワードが並んでいる。

 それだけ世間に衝撃を与えた事件だったのだろう。

 実はこの上級国民と言う言葉には、東京オリンピックエンブレム盗用騒動や、池袋暴走事故以外の物事に使われる言葉でもある。

 それは、宝くじ、である。

 日本において、宝くじの当選者は匿名であり、一体だれが当たったのか分からないようになっている。

 これは当然の処置であり、いくら温和な日本人でも、隣人が宝くじの高額当選者としてテレビ会見していたら、帰ってきたところを襲いかねないし、全国の当選者を狙うバウンティハンターみたいな集団が現れてもおかしくない。

 だから、匿名なのはいいことなのかもしれないけど、匿名であることによって、陰で当選金が不正が仕組まれていてもおかしくない。

 一部のネット識者は、宝くじ上層部の人間が匿名で不正に当選し、家族にお土産を持って帰るみたいに、「収益金分けてもらってきたよ~」と横領しているのではないかという疑いを持っている。

 その上層部の人間のことを総じるのに上級国民という言葉が使われているのである(ネットにおいて)。

 これは何の根拠もないただの言いがかり、ほぼ陰謀論なのだけど、匿名という制度による陰がある限り、完全に否定することはできない。

宝くじ公式サイト https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/top.html

 宝くじ公式サイトによると、7866億円の宝くじの売り上げのうち、46.9%が当選金として匿名の当選者に配分されている。

 これが少ないか多いかは人によると思うけど、僕は少ないと思う。たしかに膨大なお金を管理するシステムや人件費はそう安くないだろう。でも半分は返そうよ。

 カジノのディーラーがテーブルの賭け金の半分を手でストンと切り分けて、これは私が貰いますってやってるようなものだ。46.9%は少ない。

 しかも、匿名であるために、46.9%のうち、何%か誰かがちょろまかしてもわからない。高額当選者の内、”一般国民”は果たして何人いるのだろうか?

 しかし、画像の緑の部分、38.1%のところを見てほしい。なんと宝くじの一部は少子高齢化対策、防災対策、芸術文化の復興事業など、国民のためになることに使われている。

 宝くじは、販売総額のうち、賞金や経費などを除いた約40%が収益金として、発売元の全国都道府県及び20指定都市へ納められ、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修などに使われています。 

宝くじ公式サイト https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/top.html

 
 こんな話を聞くと、人のためにもなるし、どんどん買うべきだ、別にお金じゃなくて人助けのためにね、と思うかもしれない。しかしながら、匿名の当選者にあてられる当選金だけでなく、こうした事業への収益金の充当ですら不正が行われている可能性がある。

 例えば、道路補修を行う建築会社、広報のために雇われたウェブデザイナー、かわいらしいマスコットのクーちゃんのイラストデザイナー、テレビ広告会社、パンフレットの印刷会社、生きがいを語るNPO法人など。

 3000億円が分配される先の事業全てが、まったく宝くじの運営母体と関係ないのだろうか。

 息子の会社だったり、いとこの会社だったり、そもそも存在しない会社などに資金を流し込む可能性だってある(過去には天下り官僚の利権問題として取り沙汰された)。

 こんな怪しいくじはお金に困っている人ほど買うべきではないだろう。

 第一、僕が許せないのは、国民の不信感によって下がっている収益金を「東日本大震災への復興に使います」などと宣伝して国民の善意(半分お金欲しさ)で無理に増やそうとしていたことだ。

宝くじ公式サイト https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/003.html

この画像は東日本大震災復興宝くじおよび東日本大震災復興支援グリーンジャンボ宝くじの当初の計画、そして実際の売り上げ、配分についての画像である。

 書いてある通り、当初は660億円の売り上げがありそのうち200億円を復興支援分の予定だったらしい。なるほど。

 そして実際はなんと予定の倍近くの1204億円の売り上げを得た。これは素晴らしいことに思ったよりも国民の復興への願いが大きかったということだろう。

 そして、実際に配分された復興支援は192億円なんか少なくなってないか?

 これには誰しも混乱するだろう。売り上げは計画の倍だったのに、復興支援額はなぜか減っている。

 ※復興分の収益金については、収益金総額を通常分と復興支援分の発売計画額で按分したもの。
この2つの宝くじの収益金合わせて192億円が被災団体に配分されました。

宝くじ公式サイト https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/003.html

 按分とは、簡単に言えば、兄妹で年上の方がお年玉が多くなるというような、基準に比例してお金を振り分けることだ。

 通常分と言うのが何のことを言っているのか、わからないけど、おそらく普通の宝くじの収益を分配している事業に回す分ということだろう。

 せめて手に入れた収益金をそのまま計画通りに通常分の460億円、200億円と分ければよかった話なのに、謎の按分によって復興支援分が減っている。

 まるで、この震災復興支援宝くじの陰に、「う~ん、まあちょっとくらいいいか」と数字を調整した人物がいるみたいである。

 そもそも普通に考えて、復興を目的とした宝くじなのであれば、売り上げが倍になったのだったら、復興支援分も倍にするべきだろう。これはおかしい。

最後に

 少しタイトルと話が逸れてしまったけど、このような不公平かつ不透明な部分の多い宝くじは、その陰に”上級国民”がいるのではないかと考えられてしまってもしょうがない。

 自分たちが困らないのであれば、人の善意をお金に換える前に、不透明な構造を明かし、実名制にしてみてはどうだろうか。そして僕の善意(3000円)を返してほしい。

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