内閣府発表の引きこもりの定義に違和感、61万人ではなく100万人いる?

引きこもりの定義 統計
引きこもりの定義

中高年ひきこもり61万人以上 「ネット、ゲームやらない」初調査でわかった“イメージ”と異なる実態

 内閣府は29日、中高年で“ひきこもり状態”にいる人が全国で61万人を超えるとの調査結果を発表した。

  若年層を対象にした過去の調査でひきこもりの長期化が確認されたことから、政府は中高年を対象にした調査を初めて実施。この結果、全国の40~64歳の男女で、推計で61万3000人が“ひきこもり状態”にあるという。15~39歳が対象の2015年調査に比べ、中高年の方が7万人以上多く、男女比は4分の3以上(76.6%)で男性が多かった。

 「ひきこもり」の定義は、自分の部屋からほぼ出ない、外出は趣味の用事や近所のコンビニへ行く程度などの状態が、6カ月以上継続した人のことを指す(仕事をしている人は除く)。

https://abematimes.com/posts/5967858

 最近、ネットでもテレビでもよく見かけるこのニュース。特にテレビなんかは特集を組み、フリップだのVTRだのに丁寧にまとめて放送している。

 そんな報道を見て、僕はいたたまれなくなり、ポチっと電源を切る。居間に通りかかったときもニュース番組がやっていたら、念のため消しておく。ちょっとした工作活動だ。

 世間の関心は、すぐに移り変わるので、しばらくこうやってテレビを消して過ごしていたら、何事もなかったような生活に戻るだろう。

 それにしても、「一人で死ね」だなんてひどいことをよく言えるなと思う。それはネット掲示板で言うことであって、テレビで言うことじゃない。

 これほどの関心を呼ぶ原因となったのは川崎市殺傷事件だけど、この中高年引きこもりについてのニュースの基となっているのは内閣府によって定期的に行われる生活調査だ。

 本当に61万人なのかと気になったので調べてみた。

生活状況に関する調査 (平成30年度)

 この調査は引きこもりの長期化問題を解決するために全国の市区町村に居住する満40 歳から満64 歳の人を調査対象とされている。

 ちなみに調査は平成30年12月7日~12月24日の間に行われ、平成31年3月末に発表された。そのために事件とは結構ニアミスであり、それも取り沙汰された要因の一つかもしれない。

 そしてその方法だけど、これは別に61万人が「引きこもりですか?」と聞かれて、「はい、そうです」と答えたわけじゃない。

 全国からピックアップした地区にいる人々にアンケートを行い、この規模の市にこのくらいいるなら全国にこれくらいるかなという風に予想している。

 つまり、ニュースでも「推計、61万人」「61万人以上」と言っているように正確な人数はあやふやだ。

「出典」生活状況に関する調査(平成30年度)

 この表の一番右下に書かれているように調査をおこなった全体の人数は5000人である。

 僕は専門家ではないのでこれが多いか少ないか分からないけど、でも少ないと思う。

 それに調査を行った5000人中、アンケートに答えたのは、3302人(本人か同居者どちらか一方は回答した人数)。

 つまり全体の34%にあたる1698人は調査に答えてすらいない。

 こうなると、3302人中何人いるから、全国では61万人いるという計算をしていることになる。これはだいぶ大雑把過ぎないだろうか。

引きこもりの定義への違和感

 まず、調べるにしても、どういう人が引きこもりなのかを定義する必要がある。

 内閣府は、引きこもりを四つのタイプに分け、準引きこもりと狭義のひきこもりに分けた。

 ちなみにこれは自営業者などの自身で収入のある人は除外されているので、ちまたの「やっべー、この定義だと俺引きこもりだわ」という人は間違っている。

 まず一番のツッコミどころは、趣味で外出する人は引きこもりなのか? という点だ。

 内閣府は”準”引きこもりと定義しているけど、”準”とつけてもこれは違和感がある。

 だって”外出する”って言っちゃってるもん。

 特例としてコンビニがセーフなのは分かる。これは特例だ。ただ、僕が一つ付け加えるのなら、「近所のコンビニ…」の前に「深夜に限って、近所のコンビニ…」という文を足す。

 1.の準引きこもりは「天気が良いのに、近所のコンビニ…」とすればいいのではないだろうか。

 しかし、思い直すと、趣味によっては全然引きこもりとしていいのかもしれない。

 友達とバーベキューなんかはただのアウトドア派だけども、ゲームセンターやパチンコならば、準引きこもりとして定義にするのに参考にしてもいいかもしれない。

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