昔のニートは何と呼ばれていた?

ニートの呼称年表 歴史
ニートの呼称年表

 僕らニートがニートと呼ばれるようになったのは今世紀に入ってからだ。では、それまでニートはなんと呼ばれていたのだろうか。

江戸時代のニート

穀潰し 遊び人 部屋住み 道楽息子 すねかじり

 これらの語句はほとんど現代でも使われているし、僕自身何度か言われたことのある馴染みのある言葉だ。

 部屋住みというのは聞きなれない言葉であるけど、これはかつての将軍だの大名だのの高い身分の人間の息子のうち、家督を継げず実家に留まっている者に使われた言葉だ。

 部屋住みの代表としては井伊直弼が挙げられる。彼は彦根藩主の14番目の息子であり、17歳から32歳まで部屋住みとして過ごした。17~32歳というのがニートの年齢定義に近く、とても親近感が沸くけども、彼は結局教科書に載るほどの人物になったので、ニート云々というのは失礼だろう。

 ちなみに、江戸っ子の「べらぼうめ」というのは、穀潰しの道具であるへら棒からきているらしい。あたぼうは「当たり前だ、べらぼうめ」の略。

明治昭和初期

高等遊民

 当時、高等教育を受けたにも関わらず卒業後に働きもせず、本を読んだりして遊んで過ごしていた人々の名称。夏目漱石や川端康成の著作の中でも取り上げられた。

 現代でも、その教養があるのに敢えて世間を離れているというようなかっこいいイメージから自称する人々がいたり、tvの題材に使われることがある。この言葉は人を見下しているような印象を相手に与えてしまうので使いにくい。自虐にも使いづらい。

 戦争による軍需や徴兵によって、その存在は少なくなっていった。変化に富んだ激動の時代にあえて世俗を離れた彼らには学ぶべきところがある。

 ニートでいると自分がとてつもなく無価値な存在であると思い、死にたくなることがあるが、そんな時は彼らのように敢えて働かないのだと思うのがいいかもしれない。

現代

自宅警備員

 2ch発祥のネットスラング。2000年代にユーモアのある自虐として用いられていた。近年では、暇を持て余した大学生によって使い古され、ニートが自称することは少なくなってきた。

個人的な思い

 ニートはいつだってそこに存在していた。親あるところにニートあり、だ。さかのぼれば、古墳時代にもいたことだろうし、どこかの洞窟の壁画にも描かれているかもしれない。しかし、一定数の人間が生まれたのは江戸時代からとしていいだろう。ニートには甘えられる環境が必須で、多少栄えていないと真っ先に餓死してしまうからだ。

 歴史の影にいたニートたち、そこにはその数だけ人生があった。江戸の大火事で実家が焼けたり、真夜中の散歩中に人違いで闇討ちを遭い、実家に届いた春画の梱包を母ちゃんに開けられたりした。僕ら現代ニートはニートなりに多種多様な人生を歩めることを知り、それなりに前向きに生きるべきなのかもしれない。

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