僕の一番古い記憶

日記

2019年6月7日 雨。室温26℃。

 近所によく吠える犬がいるのだけど、最近はあまり吠えなくなった。

 ようやく礼儀と言うものを覚えたのか、あるいは、昨日の暑さにばてたのか。

 おそらく後者だろう。基本的に犬は寒さに強いけど暑さに弱いと言うし。

 普段はバウバウうるさいやつだけど、こうも静かになるとちょっと心配である。

 少し前の「犬に悪いやつはいないけど犬好きに悪いやつは普通にいる」という記事に書いたように、僕は猫と犬かと言われたら、どちらかと言えば犬が好きだ。もちろん猫もかわいいけども。

 でも、好きになったのはここ何年かの話で、子供のころから僕は犬が嫌いだった。

 皆の一番古い記憶というのはどんなものだろうか。中には母親のお腹にいたときの記憶があるという「本当かよ」という人もいるけど、大抵の人は5歳とかのときに友達と遊んでいるときの記憶なのではないだろうか。

 僕の一番古い記憶は、5歳かそこらのときに公園でめちゃくちゃデカい犬に襲われたときの記憶である。

 本当はそれ以前の記憶もあったかもしれないけど、あっても襲われた衝撃で忘れたに違いない。

 あれは今は亡きおじいちゃんに公園に連れられたときのことだ。

 なかなか広めの公園で、ただきれいな緑の芝が広がっているところを僕は一人で歩いていた。

 たまたまおじいちゃんが目を離したのか、僕はなぜか一人だったのだ。

 サクサクと歩いていると目の前に急に自分よりも大きい茶色い犬が現れた。今でもボヤっとその恐ろしい姿は思い出される。

 その公園はけっこう人であふれるような人気のある公園だったのだけど、なぜかその場には僕とその犬しかいなかった。おかしなことに飼い主もなぜかいない。

 たまたま保護者の目を離れたもの同士が鉢合わせてしまったのだ。

 僕は最初、「ああ、犬だな」と思い、近寄ったけど、向こうは僕を何だと思ったのか、恐ろしく吠えまくって襲い掛かってきた。

 僕は必死に走った。当時だいたい5歳。犬は逃げる者を追うということも知らない年齢である。

 記憶が確かなら、途中にあったくぼみみたいなところでこけてしまい、寝そべているところを噛まれた。

 何度か噛まれてからようやく犬の飼い主が現れ、犬を制止した。「おい、コラ!」と言っていたのを今でも鮮明に覚えている。

 なぜ鮮明に覚えているかと言うと、その飼い主は僕に向かって怒っていたからである。

 それはもう子供ながらに何度も確認した。何度確認しても、その飼い主は犬ではなく僕を叱っていた。叱るというよりは罵倒だった。

 5歳にして初めて理不尽というものを知った僕は、頭がグワングワンして混乱した。犬の恐ろしさを知り、同時に人間こそが恐ろしい存在だと知る。

 間違いなく人間の汚いところを初めて見た瞬間である。

 そのせいで人間不信になったというと言い過ぎだけども、その事件によって成長の方向性が何度くらいか斜めになっただろう。

 思えば、前回の犬記事「犬に悪いやつはいないけど犬好きに悪いやつは普通にいる」という考えのもとはこの事件にあったのだろう。

 まあでも、ちょっと心配してやる程度には犬を好きになれて良かった。やっぱり、犬には悪いやつはいない。

 あの犬だって悪い飼い主によって、今すぐにでも何か食べないといけないくらい餓死状態だったかもしれないし、遊びたかっただけなのかもしれない。

 やっぱり人間が悪いよ、人間この野郎。
 

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